今、国内においては、私たちの年金を運用している世界最大規模の機関投資家GPIFが、ESG投資への取り組みを強化しています。さらには環境省が「環境報告ガイドライン2012年版」および「環境会計ガイドライン2005年版」の改定に着手しました。主要国の金融監督当局等が集まるFSB(金融安定理事会)のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)からの提言によって、企業における気候関連財務情報の開示が加速する見込みである等、CSRは新たな段階に突入したといって過言ではないでしょう。
今後もESGに関する取り組みと開示の重要性がますます高まっていくと予想される中、2018年のレポート発行や活動計画の準備にあたって、次の一手に何をすべきか、改めて思案中のご担当者様に向けて、秋恒例のCSR特講のお知らせです。
7回目を迎える今回は、秋葉原に場所を移し、参加費は無料です。お一人でも多くの皆さまのご来場を、心よりお待ちしております。
上智大学 経済学部教授 上妻 義直 氏
持続可能な社会への移行に伴い、ESG課題が経営問題化している現状を踏まえ、ESG報告の最先端の動向について、わかりやすくご紹介いただきました。
環境報告ガイドライン及び環境会計ガイドラインの改定ポイントや論点、TCFD最終報告書の開示勧告の要点、欧州各国の人権侵害を防止する法規制の制定見通しについて、明快なご考察とともに解説していただきました。また、価値創造プロセスで開示が推奨されているビジネスモデルの要素と具体的事例の分析、さらに電子化された企業報告フォームであるCORE&MOREについての説明も盛り込まれ、ESG報告のために企業が取るべき対応について示唆に富んだご講演をしていただきました。
SusTB/SusA シニアコンサルタント 黒澤亮輔
パリ協定の発効やSDGsへの取組の広がりの中で、より長期的な目標設定が求められるようになり、SBT認定取得へ向け動き出す企業のニーズはますます高まりつつあります。SBT認定支援の経験に基づき、認定企業の傾向や申請のポイントとともに、シナリオに基づく温室効果ガス排出総量の目標策定、将来予測手法、原単位目標設定の注意点など、策定のポイントとなる観点について幅広く解説しました。
SusTB/SusA シニアコンサルタント 堀江美保
GPIFのESG指数やDJSIで高評価を受けている企業の開示状況に関する調査結果をご報告しました。気候変動のリスク・機会情報とCO2削減長期目標、CSR調達におけるサプライヤー方針(取引先への要請事項)やモニタリング、価値創造プロセスの要素内容について、ESG評価機関の評価項目や背景となる動向と、企業の対応状況や傾向を俯瞰するとともに、先進事例のポイントをご紹介しました。
SusTB/SusA 代表取締役 福島隆史
ESG評価の重要性が高まる中、企業への要請と現状とのギャップを埋めるために拠って立つ基軸として、企業行動に変化をもたらすことで社会全体によき変化を与えるマネジメントの構築、開示情報においては信頼性向上が最も大切であること、サステナビリティ課題を組み込んだ戦略を立案する部門や人材の育成が不可欠であることなどを示しました。また将来世代にわたって積み上げるPDF報告書をアーカイブしておく必要性についてご紹介しました。
今後のレポート開示の在るべき姿を主なテーマとして、開示情報の方向性、CSRマネジメントのトレンド紹介を通じて、企業の課題解決への筋道について講演しました。
主催 |
サスティービー・コミュニケーションズ株式会社 |
日時 |
2017年11月30日(木)13:00~16:20 |
会場 |
秋葉原コンベンションホール 2階 |
2017年11月30日(木)
開場12:30
開会13:00
閉会16:20(3時間20分)
13:00 | 主催者あいさつ |
---|---|
13:10(70分) |
「ESG報告の最新動向について」 グローバルな証券市場では、ESG報告を義務付ける枠組みの強化が始まっており、とりわけ記載情報の標準化、統合報告化、保証業務の受審が一段と進んでいます。そうした状況を踏まえて、CSRレポート等の作成担当者に必要なESG報告の最新動向(TCFD最終報告書への対応、環境報告ガイドラインの改定等)について、簡潔に解説します。 |
休憩(10分) 14:30(20分) |
「問われる企業の将来志向 長期削減目標策定のポイント」 パリ協定では、2℃目標に沿った温室効果ガスの長期削減目標の策定が掲げられ、益々企業の将来志向が問われるようになりました。今回、SBT(Science Based Targets)にフォーカスをあて、その支援の経験から重視すべきポイントを解説します。 |
14:50(20分) |
「何が開示されているのか。先進企業の情報開示に学ぶ」 ESG評価が高い企業は、何をどのように開示しているのでしょうか。ESGのさまざまなテーマの中から、よくご質問をいただく項目をいくつか取り上げ、その開示状況についてご紹介します。 |
休憩(10分) 15:20(40分) |
「ESG評価対応のレポート開示に向け、実態との乖離をどう埋めるか!?」 ESG評価の重要性の高まりと、社内上層部や各部門における、従来となんら変わっていないCSR認識の狭間に立ち、CSRご担当者は途方にくれていらっしゃるのではないでしょうか。課題解決の筋道について、例年のCSR特講にもまして全力でお伝えします! |
16:00(20分) | 質疑応答/総括 |
16:20 | 閉会 |